間違いだらけのHTA
カナダでのレムデシビル評価は
第64回
横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中
2020年11月1日号
前回(10月1日号)紹介したフランス高等保健院(HAS)のレムデシビル一部保険非給付決定に関し、「最終結果が公表され次第再解析」と言及があったACTT試験(アダプティブ二重盲検ランダム化比較試験)の結果が10月8日に公表された。結果は暫定解析のそれと類似しており、回復までの所要日数は有意に短縮したものの(10日対15日、ハザード比1.29、95%CI1.12―1.49)、28日目までの死亡ではレムデシビル群とプラセボ群に有意差はなかった(11.4%対15.2%、ハザード比0.73、95%CI0.52―1.03)。
10月22日付けでHASがまとめた新型コロナウイルス感染症(COVID―19)治療薬全体のエビデンスレビューでは、この結果とWHO(世界保健機関)が実施した大規模国際共同臨床試験(SOLIDARITY)の査読前論文(レムデシビルを含んだいずれの薬剤も死亡減少効果を示せず)が紹介されている。保険償還申...
前回(10月1日号)紹介したフランス高等保健院(HAS)のレムデシビル一部保険非給付決定に関し、「最終結果が公表され次第再解析」と言及があったACTT試験(アダプティブ二重盲検ランダム化比較試験)の結果が10月8日に公表された。結果は暫定解析のそれと類似しており、回復までの所要日数は有意に短縮したものの(10日対15日、ハザード比1.29、95%CI1.12―1.49)、28日目までの死亡ではレムデシビル群とプラセボ群に有意差はなかった(11.4%対15.2%、ハザード比0.73、95%CI0.52―1.03)。
10月22日付けでHASがまとめた新型コロナウイルス感染症(COVID―19)治療薬全体のエビデンスレビューでは、この結果とWHO(世界保健機関)が実施した大規模国際共同臨床試験(SOLIDARITY)の査読前論文(レムデシビルを含んだいずれの薬剤も死亡減少効果を示せず)が紹介されている。保険償還申請そ
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