医薬経済オンライン

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激動の時代の製薬企業 その戦略と事業価値

久光製薬  独自の治療文化で価値向上めざす

TDDSによるQOL向上に集中

2020年11月15日号

 久光製薬の創業は1847年、社歴は実に170年を超えている。貼付剤発売は1907年の朝日万金膏に始まる。サロンパスの発売は34年、経皮鎮痛消炎剤の代名詞となっているほど世に知られた存在だ。これも一貫して貼付剤の創薬・育薬に努め、同時に製剤技術、経皮薬物送達システム(TDDS)の技術革新に注力、これによって生まれた独自のTDDSが多くの薬剤で経皮投与を可能にし、患者のQOLの向上を実現した。これによって貼付剤を、「たかが貼付剤」の地位から患者に信頼される薬剤の地位に引き上げた。久光製薬は「企業価値は企業に対する信頼だ」とするが、TDDS技術の開発によるQOLの向上を背景に、患者の信頼を獲得しており、これが企業価値の向上につながっているとみていいだろう。  TDDSで世界に注目される企業となったことは、米調査会社による市場調査で、サロンパス...  久光製薬の創業は1847年、社歴は実に170年を超えている。貼付剤発売は1907年の朝日万金膏に始まる。サロンパスの発売は34年、経皮鎮痛消炎剤の代名詞となっているほど世に知られた存在だ。これも一貫して貼付剤の創薬・育薬に努め、同時に製剤技術、経皮薬物送達システム(TDDS)の技術革新に注力、これによって生まれた独自のTDDSが多くの薬剤で経皮投与を可能にし、患者のQOLの向上を実現した。これによって貼付剤を、「たかが貼付剤」の地位から患者に信頼される薬剤の地位に引き上げた。久光製薬は「企業価値は企業に対する信頼だ」とするが、TDDS技術の開発によるQOLの向上を背景に、患者の信頼を獲得しており、これが企業価値の向上につながっているとみていいだろう。  TDDSで世界に注目される企業となったことは、米調査会社による市場調査で、サロンパスブラ

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