時流遡航
日々諸事遊考③
第243回 ─真の理性や知性が失われつつある国状を憂える─
本田成親
2020年12月1日号
基礎研究を蔑ろにしてはならない
昨今の日本では真の意味での理性や知性が随分と軽視されているように思われてなりません。理性や知性の問題を引き合いに出そうとするとすぐに、そんなものは一部の知識人の世界の話で、大多数の庶民には一切無関係な代物だという声が上がったりしがちです。教育熱心で、子息や子女が受験勉強に励む姿に目を細めている親たちでさえもそうなのですから、事態は想像以上に深刻なのです。
菅義偉首相が日本学術会議会員の任命を拒否し学術会議の意義そのものをも批判し始めたのも、当世のそんな風潮を見透かし、便乗しようとしたからなのでしょう。しかしながら、我われ国民はこの際しばし踏み止まり、あえて慎重な対応をとらなければなりません。
端的に述べさせてもらうならば、本質的な意味での理性や知性は、一...
基礎研究を蔑ろにしてはならない
昨今の日本では真の意味での理性や知性が随分と軽視されているように思われてなりません。理性や知性の問題を引き合いに出そうとするとすぐに、そんなものは一部の知識人の世界の話で、大多数の庶民には一切無関係な代物だという声が上がったりしがちです。教育熱心で、子息や子女が受験勉強に励む姿に目を細めている親たちでさえもそうなのですから、事態は想像以上に深刻なのです。
菅義偉首相が日本学術会議会員の任命を拒否し学術会議の意義そのものをも批判し始めたのも、当世のそんな風潮を見透かし、便乗しようとしたからなのでしょう。しかしながら、我われ国民はこの際しばし踏み止まり、あえて慎重な対応をとらなければなりません。
端的に述べさせてもらうならば、本質的な意味での理性や知性は、一国の
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