医工連携
世界のRNA修飾研究をリード
医工連携の実践者33 鈴木勉 東京大学大学院教授
2020年12月1日号
10月2日、低分子創薬ベンチャーのモジュラスが、「新型コロナウイルスを含む新興ウイルス感染症の治療薬に関する共同研究」を、日本RNA学会の会長で東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の鈴木勉教授(写真)と開始した、とプレスリリースを出した。
ご存じのように、コロナウイルスのゲノムが載っているのは1本鎖RNAだが、その塩基配列をいくら精密に読んでも、宿主細胞内でのウイルスの振る舞いを完全に理解することはできない。
というのもRNAは、mRNAとしてタンパク質をコードする以外に、それ自体が3次元構造を取ってタンパク質のように働く場合もあり、後者のような機能性RNAは、塩基が並んだだけで機能を持つとは限らず、特定の部位に特定の化学変化(修飾)が起きて初めて働くようになることも珍しくないからだ。このようなRNA修飾は現在まで...
10月2日、低分子創薬ベンチャーのモジュラスが、「新型コロナウイルスを含む新興ウイルス感染症の治療薬に関する共同研究」を、日本RNA学会の会長で東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の鈴木勉教授(写真)と開始した、とプレスリリースを出した。
ご存じのように、コロナウイルスのゲノムが載っているのは1本鎖RNAだが、その塩基配列をいくら精密に読んでも、宿主細胞内でのウイルスの振る舞いを完全に理解することはできない。
というのもRNAは、mRNAとしてタンパク質をコードする以外に、それ自体が3次元構造を取ってタンパク質のように働く場合もあり、後者のような機能性RNAは、塩基が並んだだけで機能を持つとは限らず、特定の部位に特定の化学変化(修飾)が起きて初めて働くようになることも珍しくないからだ。このようなRNA修飾は現在までに
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