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眺望 医薬街道

政争の具と化す後期高齢者「2割負担」

近藤正觀

2020年12月15日号

 厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会や財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が、医療保険財政の立て直しのために、患者負担の拡大を提言した。ターゲットの第1は、75際以上の後期高齢者医療制度で、一定収入以上の高齢者に対して自己負担2割の導入を求めた。12月4日の全世代型社会保障検討会議は政府・与党の調整が難航し、開催が見送られたが、協議は断続的に続いた。  新型コロナウイルス感染症の蔓延もあり、これ以上現役世代の負担を増やしては限界である。  健康保険組合連合会が示した資料によれば、19年度の健保組合決算報告で赤字組合は484組合にものぼり、全組合1388組合の35%が赤字となった。赤字の要因は明らかで、高齢者拠出金にある。19年度の保険料収入は8兆2438億円で、保険給付が4兆1177億円、高齢者拠出金が3兆4344億円である。単年度ではかろ...  厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会や財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が、医療保険財政の立て直しのために、患者負担の拡大を提言した。ターゲットの第1は、75際以上の後期高齢者医療制度で、一定収入以上の高齢者に対して自己負担2割の導入を求めた。12月4日の全世代型社会保障検討会議は政府・与党の調整が難航し、開催が見送られたが、協議は断続的に続いた。  新型コロナウイルス感染症の蔓延もあり、これ以上現役世代の負担を増やしては限界である。  健康保険組合連合会が示した資料によれば、19年度の健保組合決算報告で赤字組合は484組合にものぼり、全組合1388組合の35%が赤字となった。赤字の要因は明らかで、高齢者拠出金にある。19年度の保険料収入は8兆2438億円で、保険給付が4兆1177億円、高齢者拠出金が3兆4344億円である。単年度ではかろう

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