薬のおカネを議論しよう
「鼻薬」としての製薬マネーの費用対効果
第33回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2021年1月1日号
私たちのグループでは、講演会に対する謝金や寄附金など、製薬会社から医師へ渡る製薬マネーの問題を継続して取り上げている。これに対し、しばしば受ける反論がある。「エキスパートが講演会の準備にかける時間を考えれば、1回10万、20万円程度の謝金では安過ぎる」「薬の処方をするときに、寄附金を出す会社の製品かどうか医師が気にするはずはない」などだ。私たちの製薬マネーに関するネット記事のコメント欄は、これらの反論でしばしばプチ炎上する。 その書き込みをしている人の多くは、一般の患者さんなどではなく、むしろ利害関係のある業界関係者だろう。残念ながら、このような意見は脊髄反射的な拒否反応に過ぎず、本質的な問題ではない。重要なのは、本来は患者にとって公平であるべき医師の判断が、意識的であれ無意識的であれ、製薬マネーによって不当に歪められることはないのか、とい...
私たちのグループでは、講演会に対する謝金や寄附金など、製薬会社から医師へ渡る製薬マネーの問題を継続して取り上げている。これに対し、しばしば受ける反論がある。「エキスパートが講演会の準備にかける時間を考えれば、1回10万、20万円程度の謝金では安過ぎる」「薬の処方をするときに、寄附金を出す会社の製品かどうか医師が気にするはずはない」などだ。私たちの製薬マネーに関するネット記事のコメント欄は、これらの反論でしばしばプチ炎上する。 その書き込みをしている人の多くは、一般の患者さんなどではなく、むしろ利害関係のある業界関係者だろう。残念ながら、このような意見は脊髄反射的な拒否反応に過ぎず、本質的な問題ではない。重要なのは、本来は患者にとって公平であるべき医師の判断が、意識的であれ無意識的であれ、製薬マネーによって不当に歪められることはないのか、という
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