平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
自衛隊関連報道の背景にある問題
第117回
琉球大学医学部非常勤講師 照井資規
2021年2月1日号
新型コロナウイルス感染症による医療の逼迫を「災害」として、20年12月に北海道旭川市と大阪府へ陸上自衛隊の看護官等による「災害派遣」が大きく報道され、自衛隊の看護師の役割が国民に広く認知された。このことは、今春に防衛医科大学校看護学科へと進学する希望者を増やす効果もあったと推察される。防衛医科大学の入試日程は、ほかの看護大学に比して早期である。12月の看護官の災害派遣報道には防衛医科大学校を含め、複数の看護大学を受験した者に看護官になる道を選ぶことを促す効果もあったのではないか。
防衛医科大学校看護学科では給料を受け取りながら看護師になれるが、集団生活で自由に外出できないなどの制約もある。以前の自衛隊中央病院高等看護学院は東京都目黒区であったため、こうした制約を上回る魅力があったが、現在の防衛医科大学校は埼玉県所沢市にあるため、...
新型コロナウイルス感染症による医療の逼迫を「災害」として、20年12月に北海道旭川市と大阪府へ陸上自衛隊の看護官等による「災害派遣」が大きく報道され、自衛隊の看護師の役割が国民に広く認知された。このことは、今春に防衛医科大学校看護学科へと進学する希望者を増やす効果もあったと推察される。防衛医科大学の入試日程は、ほかの看護大学に比して早期である。12月の看護官の災害派遣報道には防衛医科大学校を含め、複数の看護大学を受験した者に看護官になる道を選ぶことを促す効果もあったのではないか。
防衛医科大学校看護学科では給料を受け取りながら看護師になれるが、集団生活で自由に外出できないなどの制約もある。以前の自衛隊中央病院高等看護学院は東京都目黒区であったため、こうした制約を上回る魅力があったが、現在の防衛医科大学校は埼玉県所沢市にあるため、所
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