医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

薬のおカネを議論しよう

三重大麻酔科の不祥事続報と奨学寄附金改革のススメ

第36回

医療ガバナンス研究所医師  尾崎章彦

2021年2月15日号

 以前、奨学寄附金をめぐる三重大学臨床麻酔科の不祥事についてレポートした。その後、捜査が進展し、さまざまなアップデートがあったので、今回も取り上げたい。  改めて事件の要点を説明する。当時、三重大准教授であった境倫宏氏は、小野薬品が販売するランジオロール塩酸塩を、患者に使用していないにもかかわらず、カルテを改竄し、診療報酬を不正請求していた。改竄は18年から20年まで約2200症例、請求総額は2800万円を超えていた。小野薬品からの奨学寄附金を期待し、元教授の亀井政孝氏が同薬剤の使用を積極的に誘導したことが明らかになっており、境氏も上司によく思われたかったと供述していた。  前回のレポート後、21年1月末までに、両氏とも、この事件に関連して津地検に逮捕された。境氏が、電子カルテ改竄で逮捕されたのは当然であろう。しかし、亀井氏が、こ...  以前、奨学寄附金をめぐる三重大学臨床麻酔科の不祥事についてレポートした。その後、捜査が進展し、さまざまなアップデートがあったので、今回も取り上げたい。  改めて事件の要点を説明する。当時、三重大准教授であった境倫宏氏は、小野薬品が販売するランジオロール塩酸塩を、患者に使用していないにもかかわらず、カルテを改竄し、診療報酬を不正請求していた。改竄は18年から20年まで約2200症例、請求総額は2800万円を超えていた。小野薬品からの奨学寄附金を期待し、元教授の亀井政孝氏が同薬剤の使用を積極的に誘導したことが明らかになっており、境氏も上司によく思われたかったと供述していた。  前回のレポート後、21年1月末までに、両氏とも、この事件に関連して津地検に逮捕された。境氏が、電子カルテ改竄で逮捕されたのは当然であろう。しかし、亀井氏が、この

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence