ワクチンに見る支配階級の「奢り」
医療も経済も「大国」の幻想に縋る人々
2021年3月1日号
いま、国際社会は日本の一挙手一投足を固唾を呑んで見守っている。新型コロナウイルス禍を受けた東京五輪の「中止」観測がしきりに囁かれる。ワクチンによるウイルス制圧が危ぶまれる国や地域は多くある。だが、グローバル社会にハレーションをもたらす震源地として浮かび上がっているのは、この自称・医療先進国だ。
五輪の開催に赤信号が灯っていることは、状況証拠的に皆が認めるところだろう。しかし、東京から伝わるニュースを前にして、諸外国の多くは腑に落ちないことが多過ぎると感じていると思われる。
まず、日本は世界指折りの工業国で、医療資源にも恵まれている。他国と違って、民族や宗教による国内対立は皆無に近い。本来ならば地上の楽園のような島国が、なぜコロナの蔓延を許したのか。
2つ目は、“失われた20年”と呼ばれたバ...
いま、国際社会は日本の一挙手一投足を固唾を呑んで見守っている。新型コロナウイルス禍を受けた東京五輪の「中止」観測がしきりに囁かれる。ワクチンによるウイルス制圧が危ぶまれる国や地域は多くある。だが、グローバル社会にハレーションをもたらす震源地として浮かび上がっているのは、この自称・医療先進国だ。
五輪の開催に赤信号が灯っていることは、状況証拠的に皆が認めるところだろう。しかし、東京から伝わるニュースを前にして、諸外国の多くは腑に落ちないことが多過ぎると感じていると思われる。
まず、日本は世界指折りの工業国で、医療資源にも恵まれている。他国と違って、民族や宗教による国内対立は皆無に近い。本来ならば地上の楽園のような島国が、なぜコロナの蔓延を許したのか。
2つ目は、“失われた20年”と呼ばれたバブ
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