製薬企業の次世代経営戦略
資本主義修正のツールか―慶大・駒村教授に聞く
SDGs(Sustainable Development Goals)とソーシャルコミュニケーションの体得 第7回
熊田梨恵
2021年3月1日号
【前回まで】新型コロナウイルスの感染拡大で、医療者と市民の医療情報の非対称がより顕著となった。国の社会保障制度設計にも長く関わってきた慶應義塾大学の駒村康平教授は、医療の不確実性を伝えるコミュニケーションは製薬企業の社会的責任と指摘するも、日本企業は対策が遅れていることを懸念する。後編をお送りする。
──国内製薬企業は、ESG(環境・社会・ガバナンス)は「財務部門」、SDGs(持続可能な開発目標)は「CSR部門」か、経営企画系の一部の部署と切り離して考えている企業も多い印象です。
駒村 SDGsを社会貢献、ESGを資本調達の話に捉えるのではなく、自分たちの財・サービスを売るマーケティング、リクルーティング、R&Dなどすべてに関わると理解しておくことが重要です。金融機関もESG観点で評価され、化石燃料産業に投資しているところは槍玉に上...
【前回まで】新型コロナウイルスの感染拡大で、医療者と市民の医療情報の非対称がより顕著となった。国の社会保障制度設計にも長く関わってきた慶應義塾大学の駒村康平教授は、医療の不確実性を伝えるコミュニケーションは製薬企業の社会的責任と指摘するも、日本企業は対策が遅れていることを懸念する。後編をお送りする。
──国内製薬企業は、ESG(環境・社会・ガバナンス)は「財務部門」、SDGs(持続可能な開発目標)は「CSR部門」か、経営企画系の一部の部署と切り離して考えている企業も多い印象です。
駒村 SDGsを社会貢献、ESGを資本調達の話に捉えるのではなく、自分たちの財・サービスを売るマーケティング、リクルーティング、R&Dなどすべてに関わると理解しておくことが重要です。金融機関もESG観点で評価され、化石燃料産業に投資しているところは槍玉に上げら
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