医薬経済オンライン

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看護学者から見た個別化医療とグローバリズム

感情的カテゴライズの弊害 基礎学力のない大人と本質的な問いに迫る学生

第43回

大阪大学大学院医学系研究科/公益財団法人浅香山病院  山川みやえ

2021年3月1日号

 私には五輪の重要性がわからない。もともと私は東京五輪開催には反対で、「チケット当たった!」とかいって浮かれている人たちを冷ややかに見ている部類である。平和とスポーツの祭典と言うが、なぜ差別や戦争はいつまでもなくならないのか。五輪で戦争がなくなるなら応援もするが、戦争があるときは五輪のほうが中止になるくらいだから、所詮大義名分である。  世界で勝負できるアスリートの大会は重要視され、高校野球が中止になるのは致し方ないということに、スポーツマンシップのような一貫した美学は見当たらない。お金の問題であるのは間違いないが、そこに精神論や美学を持ち込んで議論を煙に巻いている感じがする。患者の命を救う、安全が大事と言いつつ、余計な薬を処方して、身体拘束して、製薬企業や病院の経営を安定させる医療業界の本音を見かけ上の思いやりで隠している構...  私には五輪の重要性がわからない。もともと私は東京五輪開催には反対で、「チケット当たった!」とかいって浮かれている人たちを冷ややかに見ている部類である。平和とスポーツの祭典と言うが、なぜ差別や戦争はいつまでもなくならないのか。五輪で戦争がなくなるなら応援もするが、戦争があるときは五輪のほうが中止になるくらいだから、所詮大義名分である。  世界で勝負できるアスリートの大会は重要視され、高校野球が中止になるのは致し方ないということに、スポーツマンシップのような一貫した美学は見当たらない。お金の問題であるのは間違いないが、そこに精神論や美学を持ち込んで議論を煙に巻いている感じがする。患者の命を救う、安全が大事と言いつつ、余計な薬を処方して、身体拘束して、製薬企業や病院の経営を安定させる医療業界の本音を見かけ上の思いやりで隠している構造

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