医薬経済オンライン

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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

自衛隊での自殺者多発の真相

第119回

琉球大学医学部非常勤講師  照井資規

2021年3月1日号

「決定的な犯罪をすればすぐに退職できるが、どうする」  この連載で何度も取り上げている元自衛隊中央病院企画室長(15年2月当時、陸上自衛隊衛生学校研究部長:2等陸佐)は筆者の耳を疑うほどの発言をし、依願退職を迫った。「決定的なこととは何ですか」と筆者が問うと、研究部長は「飲酒運転とか、部外(自衛隊の外)で窃盗をして逮捕されることだよ。これをすれば早く退職できて楽になれる、しなければ退職は何年も先になる」と答えた。  それも普通の口調ではなく、床を踵で蹴りながら、語気を荒らげてである。筆者が体験したこのやりとりに、自衛隊における自殺問題の実態が如実に表れている。  特別職国家公務員である自衛隊員の自殺率(10万人あたりの自殺者数)は一般職国家公務員の2倍以上と異常に高い。年間90人以上に達したこともある。陸上自衛隊... 「決定的な犯罪をすればすぐに退職できるが、どうする」  この連載で何度も取り上げている元自衛隊中央病院企画室長(15年2月当時、陸上自衛隊衛生学校研究部長:2等陸佐)は筆者の耳を疑うほどの発言をし、依願退職を迫った。「決定的なこととは何ですか」と筆者が問うと、研究部長は「飲酒運転とか、部外(自衛隊の外)で窃盗をして逮捕されることだよ。これをすれば早く退職できて楽になれる、しなければ退職は何年も先になる」と答えた。  それも普通の口調ではなく、床を踵で蹴りながら、語気を荒らげてである。筆者が体験したこのやりとりに、自衛隊における自殺問題の実態が如実に表れている。  特別職国家公務員である自衛隊員の自殺率(10万人あたりの自殺者数)は一般職国家公務員の2倍以上と異常に高い。年間90人以上に達したこともある。陸上自衛隊の普

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