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医工連携

右利きの左手を無意識に使わせる

医工連携の実践者40 大須理英子 早稲田大学教授

2021年3月15日号

 脳卒中後に半身麻痺が残る例は少なくない。腕や脚の筋肉が失われたわけではないし、筋肉との間の神経が切れたわけでもないけれど、筋肉に指令を出していた脳神経細胞や、腕や脚の感覚を受け取っていた脳神経細胞が失われたことによって、上手に動かせなくなる。  一方で脳には、失われた神経細胞の働きを生き残った神経細胞が代償する可塑性も存在する。代償させるには、麻痺した腕や脚を意識的に使い、新たな脳神経細胞と連携させるリハビリテーションが重要だ。  とは言うものも、脳は基本的に怠け者で、すでに連携が出来上がっていて効率よく動かせるものを使いたがるため、不自由な側の体を意識して動かすリハビリは心身ともに疲れ、なかなか続かない。無意識に不自由なほうの体を動かす、そんな現象をもし起こせたら、リハビリの効果はグンと上がることだろう。 ...  脳卒中後に半身麻痺が残る例は少なくない。腕や脚の筋肉が失われたわけではないし、筋肉との間の神経が切れたわけでもないけれど、筋肉に指令を出していた脳神経細胞や、腕や脚の感覚を受け取っていた脳神経細胞が失われたことによって、上手に動かせなくなる。  一方で脳には、失われた神経細胞の働きを生き残った神経細胞が代償する可塑性も存在する。代償させるには、麻痺した腕や脚を意識的に使い、新たな脳神経細胞と連携させるリハビリテーションが重要だ。  とは言うものも、脳は基本的に怠け者で、すでに連携が出来上がっていて効率よく動かせるものを使いたがるため、不自由な側の体を意識して動かすリハビリは心身ともに疲れ、なかなか続かない。無意識に不自由なほうの体を動かす、そんな現象をもし起こせたら、リハビリの効果はグンと上がることだろう。  

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