平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
暴走を止める制度のない自衛隊
第120回
琉球大学医学部非常勤講師 照井資規
2021年3月15日号
「どうだ。これで退職する気になったか」
15年3月9日、陸上自衛隊衛生学校研究部総括研究員の3等陸佐は、12年に行われた自衛隊員救命施策の主務者に対し、組織的に執拗なパワハラを繰り返した末にその自宅の家宅捜索を行った帰り道で、こう言い放った。権限も根拠も、事前の通知もなく3等陸佐に部下の研究員の自宅の捜索を命じたのは、元自衛隊中央病院企画室長で当時、陸自衛生学校研究部長だった2等陸佐である。筆者が研究員に着任した14年度は、陸自研究開発目標指針に基づき、
①「第一線救護ハンドブック(案)」 54頁の正規教範化
②個人から部隊装備に至るまでの救急品の整備
③教材や教育法の研究
が行われる予定だった。
当時の研究部は、改革に熱心な総括研究員、脳神経外科医(陸自医官)、筆者らによる改革推進派と、定年退官を翌年...
「どうだ。これで退職する気になったか」
15年3月9日、陸上自衛隊衛生学校研究部総括研究員の3等陸佐は、12年に行われた自衛隊員救命施策の主務者に対し、組織的に執拗なパワハラを繰り返した末にその自宅の家宅捜索を行った帰り道で、こう言い放った。権限も根拠も、事前の通知もなく3等陸佐に部下の研究員の自宅の捜索を命じたのは、元自衛隊中央病院企画室長で当時、陸自衛生学校研究部長だった2等陸佐である。筆者が研究員に着任した14年度は、陸自研究開発目標指針に基づき、
①「第一線救護ハンドブック(案)」 54頁の正規教範化
②個人から部隊装備に至るまでの救急品の整備
③教材や教育法の研究
が行われる予定だった。
当時の研究部は、改革に熱心な総括研究員、脳神経外科医(陸自医官)、筆者らによる改革推進派と、定年退官を翌年度
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