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医工連携

蚊の受容体で高感度呼気センサー

医工連携の実践者41 竹内昌治 東京大学教授

2021年4月1日号

 昆虫は、食物の匂いや同種の他個体から分泌されるフェロモンを驚くほど遠距離から探知して近づいてくる。触角に存在する嗅覚受容体(イオンチャネルタンパク質)が、たった1分子にも反応して大きく電位を変化(信号を発生)させるから、そんな芸当ができる。  血液を吸う蚊も、ヒトを嗅覚で見つける。つまりヒトが発する匂い成分に対応する嗅覚受容体を持っている。そのイオンチャネルタンパク質を水溶液中の脂質二重膜(人工細胞膜)に配置すると嗅覚受容体と同じ働きを持つようになり、その電位変化を検出すると特異性の高い匂いセンサーになる。  こんなセンサーで、肝臓がんのマーカーに使えるとの説もあるオクテノール1ppmを、3000種類もの成分が含まれているとされるヒト呼気中から10分以内に90%以上の確度で検出したという論文が、1月の『サイエンス・...  昆虫は、食物の匂いや同種の他個体から分泌されるフェロモンを驚くほど遠距離から探知して近づいてくる。触角に存在する嗅覚受容体(イオンチャネルタンパク質)が、たった1分子にも反応して大きく電位を変化(信号を発生)させるから、そんな芸当ができる。  血液を吸う蚊も、ヒトを嗅覚で見つける。つまりヒトが発する匂い成分に対応する嗅覚受容体を持っている。そのイオンチャネルタンパク質を水溶液中の脂質二重膜(人工細胞膜)に配置すると嗅覚受容体と同じ働きを持つようになり、その電位変化を検出すると特異性の高い匂いセンサーになる。  こんなセンサーで、肝臓がんのマーカーに使えるとの説もあるオクテノール1ppmを、3000種類もの成分が含まれているとされるヒト呼気中から10分以内に90%以上の確度で検出したという論文が、1月の『サイエンス・ア

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