医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

製薬企業の不正とキータム訴訟制度

第40回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2021年5月1日号

 三重大学病院臨床麻酔部で起きたカルテ改竄事件に対し、4月22日付で元准教授に地裁判決が下った。実際には廃棄していた小野薬品の「オノアクト」を、使用したことにして診療報酬を不正請求した咎で、懲役2年6ヵ月、執行猶予4年の刑が言い渡された。元教授や小野薬品社員の裁判も今後進むが、そもそもこのような事件が露見することは非常に稀だ。今回の契機となったのは、内部告発による旨が報道されている。  この内部告発の経緯や内容は明らかにされていないが、日本の医療界を考えるうえで非常に重要な問題を孕んでいると私は見ている。なぜなら、内部告発のほとんどは揉み消されるからだ。実際、医学論文や研究費の不正を正すために内部告発に踏み切ったものの、内々で穏便に処理されたり、内部告発者が逆に報復を受けて失脚させられたりという話を聞くことは珍しくない。このような事...  三重大学病院臨床麻酔部で起きたカルテ改竄事件に対し、4月22日付で元准教授に地裁判決が下った。実際には廃棄していた小野薬品の「オノアクト」を、使用したことにして診療報酬を不正請求した咎で、懲役2年6ヵ月、執行猶予4年の刑が言い渡された。元教授や小野薬品社員の裁判も今後進むが、そもそもこのような事件が露見することは非常に稀だ。今回の契機となったのは、内部告発による旨が報道されている。  この内部告発の経緯や内容は明らかにされていないが、日本の医療界を考えるうえで非常に重要な問題を孕んでいると私は見ている。なぜなら、内部告発のほとんどは揉み消されるからだ。実際、医学論文や研究費の不正を正すために内部告発に踏み切ったものの、内々で穏便に処理されたり、内部告発者が逆に報復を受けて失脚させられたりという話を聞くことは珍しくない。このような事態

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