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津波対策の先覚者−医師・木川田典彌の足跡

第1回 注意報が出たら必ず避難させる 

ジャーナリスト 出河雅彦

2021年5月15日号

 東日本大震災から10年という節目を迎える直前の今年2月、被災地、岩手県三陸沿岸の地で津波対策を最優先に医療施設や介護事業所を経営してきた医師が84歳で亡くなった。故人の実践から学ぶことは、遠くない将来に発生が予想される南海トラフ大地震などの被害を減らすために意味があるのではないかと筆者は考える。その足跡を3回に分けて振り返ることにする。 利用者・職員に人的被害なし  この医師は、岩手県大船渡市にある医療法人勝久会の理事長であった木川田典彌氏である。  木川田氏は1936年(昭和11年)に同県吉浜村(現在の大船渡市三陸町吉浜)に生まれた。62年(昭和37年)に岩手医科大学を卒業し、同大大学院を修了後、県立大船渡病院に勤務した。73~74年に東京女子医科大学と北里大学で血液透析療法や腎移植に関する研修を受けた。国内留学を終えて...  東日本大震災から10年という節目を迎える直前の今年2月、被災地、岩手県三陸沿岸の地で津波対策を最優先に医療施設や介護事業所を経営してきた医師が84歳で亡くなった。故人の実践から学ぶことは、遠くない将来に発生が予想される南海トラフ大地震などの被害を減らすために意味があるのではないかと筆者は考える。その足跡を3回に分けて振り返ることにする。 利用者・職員に人的被害なし  この医師は、岩手県大船渡市にある医療法人勝久会の理事長であった木川田典彌氏である。  木川田氏は1936年(昭和11年)に同県吉浜村(現在の大船渡市三陸町吉浜)に生まれた。62年(昭和37年)に岩手医科大学を卒業し、同大大学院を修了後、県立大船渡病院に勤務した。73~74年に東京女子医科大学と北里大学で血液透析療法や腎移植に関する研修を受けた。国内留学を終えて地

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