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間違いだらけのHTA

米ICER組織の「アデュカヌマブ」評価

第71回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2021年6月1日号

 5月5日、米国の非営利団体「臨床的・経済的評価研究所」(ICER組織)が認知症治療薬「アデュカヌマブ」について、エビデンスレポートのドラフト版を発表した。アデュカヌマブはFDA(米国食品医薬品局)の審査が進行中の薬剤(候補)で現段階では未承認だ。ドラフト版はパブリックコメント向けで、最終版の発表は6月30日、投票などを経た評価結果の公表は8月5日を予定している。  ICER組織自身が構築したモデルは、①MCI(軽度認知障害、認知症の前段階)、②軽度、③中等度、④重度のアルツハイマー型認知症(AD)、⑤死亡の5つの健康状態からなる。健康状態に加えて、施設入所の有無もモデルに組み込まれている。対象患者は、MCIもしくは軽度のAD患者で、前者が55%・後者が45%を占める。平均年齢は70歳で、分析開始時点では施設入所者の割合は8%だ。  有効性のデータソースは...  5月5日、米国の非営利団体「臨床的・経済的評価研究所」(ICER組織)が認知症治療薬「アデュカヌマブ」について、エビデンスレポートのドラフト版を発表した。アデュカヌマブはFDA(米国食品医薬品局)の審査が進行中の薬剤(候補)で現段階では未承認だ。ドラフト版はパブリックコメント向けで、最終版の発表は6月30日、投票などを経た評価結果の公表は8月5日を予定している。  ICER組織自身が構築したモデルは、①MCI(軽度認知障害、認知症の前段階)、②軽度、③中等度、④重度のアルツハイマー型認知症(AD)、⑤死亡の5つの健康状態からなる。健康状態に加えて、施設入所の有無もモデルに組み込まれている。対象患者は、MCIもしくは軽度のAD患者で、前者が55%・後者が45%を占める。平均年齢は70歳で、分析開始時点では施設入所者の割合は8%だ。  有効性のデータソースは、

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