現場が望む社会保障制度
科学的な介護の利害得失を問い直す
第73回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2021年6月1日号
21年4月からの新しい介護報酬体系では「科学的介護」に関する改正事項が盛り込まれた。科学的介護とは、データに基づく介護を通じて、専ら利用者の身体的自立を促すことをめざしており、今回の科学的介護は介護での本格的なデータ活用の第一歩と理解できる。
ただ、筆者は、数値化しにくい生活を支える介護にデータを持ち込む弊害も見逃せないと考えている。今回は4月の介護報酬改定のうち、「科学的介護」に着目して、その利害得失を問い直す。
5年前から議論
厚生労働省でシステム混乱、2万事業所がログインできず──。こうしたニュースを4月に見聞きした方がいるかもしれない。この不具合に見舞われたシステムが改定の目玉のひとつとされた「科学的介護」で創設された「科学的介護情報システム」(LIFE)というデータベースである。開始早々、...
21年4月からの新しい介護報酬体系では「科学的介護」に関する改正事項が盛り込まれた。科学的介護とは、データに基づく介護を通じて、専ら利用者の身体的自立を促すことをめざしており、今回の科学的介護は介護での本格的なデータ活用の第一歩と理解できる。
ただ、筆者は、数値化しにくい生活を支える介護にデータを持ち込む弊害も見逃せないと考えている。今回は4月の介護報酬改定のうち、「科学的介護」に着目して、その利害得失を問い直す。
5年前から議論
厚生労働省でシステム混乱、2万事業所がログインできず──。こうしたニュースを4月に見聞きした方がいるかもしれない。この不具合に見舞われたシステムが改定の目玉のひとつとされた「科学的介護」で創設された「科学的介護情報システム」(LIFE)というデータベースである。開始早々、つ
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