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津波対策の先覚者−医師・木川田典彌の足跡

第2回 祖父の教えと吉浜村の高台移転の歴史

ジャーナリスト 出河雅彦

2021年6月1日号

 前回5月15日号で紹介したように、岩手県大船渡市の医療法人勝久会理事長だった木川田典彌氏(2月に84歳で死去)が経営していた医療施設や介護事業所では、東日本大震災が起きた2011年3月11日の当日利用者・入所者や当日勤務職員に人的被害がなかった。それとは対照的に、甚大な被害を出してしまった介護事業者が同じ地域にあった。大船渡市三陸町越喜来の社会福祉法人「三陸福祉会」である。  複数の介護施設を運営する同法人の特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなどの震災当日の利用者は118人、職員は約50人だった。このうち、特養ホームの利用者など計47人の利用者が死亡。特養ホームの9人が行方不明となり、職員1人も死亡した。この特養ホームは海岸から約600メートルの津波浸水想定区域内にあった。当時の施設長によると、地震発生後、介護職員たちが車いすで入所者を中庭に...  前回5月15日号で紹介したように、岩手県大船渡市の医療法人勝久会理事長だった木川田典彌氏(2月に84歳で死去)が経営していた医療施設や介護事業所では、東日本大震災が起きた2011年3月11日の当日利用者・入所者や当日勤務職員に人的被害がなかった。それとは対照的に、甚大な被害を出してしまった介護事業者が同じ地域にあった。大船渡市三陸町越喜来の社会福祉法人「三陸福祉会」である。  複数の介護施設を運営する同法人の特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなどの震災当日の利用者は118人、職員は約50人だった。このうち、特養ホームの利用者など計47人の利用者が死亡。特養ホームの9人が行方不明となり、職員1人も死亡した。この特養ホームは海岸から約600メートルの津波浸水想定区域内にあった。当時の施設長によると、地震発生後、介護職員たちが車いすで入所者を中庭に移し

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