医工連携
高機能材の自律調製に挑む
医工連携の実践者46 菊池明彦 東京理科大学教授
2021年6月15日号
固形がんの切除手術後に抗がん剤投与を行う補助化学療法(アジュバント療法)は、取り残したがん細胞による再発率を下げるけれど、切除が完全に成功していた場合には副作用だけあってメリットゼロだ。がん細胞が残っているかどうか現時点では見極め不能なため、副作用だけ食らうかもしれないリスクには目をつぶって、確率論で考えるわけだ。理想を言えば、取り残しがある場合に限って化学療法するようにしたい。
この理想に近い状態を、より副作用を少なく実現できそうな技術が3月の『Journal of Controlled Release』誌に発表された。温度・pH・還元環境という3種類の刺激に応答するハイドロゲルを、原料の2剤からワンポット(ひとつの反応容器に材料を順に投入し、多段階の反応を自律的に起こさせ)合成したというものだ。
このゲルは、温度やpHによって膨...
固形がんの切除手術後に抗がん剤投与を行う補助化学療法(アジュバント療法)は、取り残したがん細胞による再発率を下げるけれど、切除が完全に成功していた場合には副作用だけあってメリットゼロだ。がん細胞が残っているかどうか現時点では見極め不能なため、副作用だけ食らうかもしれないリスクには目をつぶって、確率論で考えるわけだ。理想を言えば、取り残しがある場合に限って化学療法するようにしたい。
この理想に近い状態を、より副作用を少なく実現できそうな技術が3月の『Journal of Controlled Release』誌に発表された。温度・pH・還元環境という3種類の刺激に応答するハイドロゲルを、原料の2剤からワンポット(ひとつの反応容器に材料を順に投入し、多段階の反応を自律的に起こさせ)合成したというものだ。
このゲルは、温度やpHによって膨ら
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