改正医療法が成立、医師の健康確保へ前進

眺望　医薬街道

改正医療法が成立、医師の健康確保へ前進

近藤正觀

2021年6月15日号

　医師の働き方改革を含む改正医療法が5月21日の参院本会議で可決・成立した。今回の改正の趣旨は、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から、医師の働き方改革、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を進めるため、長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置などの整備や、地域医療構想の実現に向けた医療機関の取り組みに対する支援の強化措置を講ずることにある。　医師の勤務時間については、過労死ラインを超える勤務状況が常態化していた。厚生労働省の研究事業で全国10大学の新型コロナウイルス禍における医師の勤務状況調査によると、2割を超える勤務医が、24年度から新たに設ける残業規制の最も高い水準（年1860時間）を超えていたことがわかっている。調査は20年12月、勤務時間が長いと推量された救急科医... 　医師の働き方改革を含む改正医療法が5月21日の参院本会議で可決・成立した。今回の改正の趣旨は、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から、医師の働き方改革、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を進めるため、長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置などの整備や、地域医療構想の実現に向けた医療機関の取り組みに対する支援の強化措置を講ずることにある。　医師の勤務時間については、過労死ラインを超える勤務状況が常態化していた。厚生労働省の研究事業で全国10大学の新型コロナウイルス禍における医師の勤務状況調査によると、2割を超える勤務医が、24年度から新たに設ける残業規制の最も高い水準（年1860時間）を超えていたことがわかっている。調査は20年12月、勤務時間が長いと推量された救急科医や

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