現場が望む社会保障制度
介護インセンティブ交付金の構造的な問題を考える
第74回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2021年7月1日号
世の中はいま、インセンティブが一種の流行になっている。企業は従業員の生産性を上げるためのインセンティブ賃金を増やしており、新型コロナウイルスへの対応でも民間病院の患者受け入れが少ないとして、「大胆なインセンティブ措置を講じるべき」(21年1月の経済財政諮問会議における柳川範之・東京大学教授発言)といった意見が出ている。
経済学では、人を動かす動機付けとして金銭的な価値を重視するため、こうした議論になりがちである。
ただ、インセンティブを掲げているのに、機能していると思えない不思議な仕組みがある。介護保険に関して、自治体への動機付けを目的とした財政制度、通称「インセンティブ交付金」であり、制度的な欠陥が自治体の「会計操作」を招いている実態がある。いったい、どんな欠陥で、どんな会計操作が実施されているのか、そのカラク...
世の中はいま、インセンティブが一種の流行になっている。企業は従業員の生産性を上げるためのインセンティブ賃金を増やしており、新型コロナウイルスへの対応でも民間病院の患者受け入れが少ないとして、「大胆なインセンティブ措置を講じるべき」(21年1月の経済財政諮問会議における柳川範之・東京大学教授発言)といった意見が出ている。
経済学では、人を動かす動機付けとして金銭的な価値を重視するため、こうした議論になりがちである。
ただ、インセンティブを掲げているのに、機能していると思えない不思議な仕組みがある。介護保険に関して、自治体への動機付けを目的とした財政制度、通称「インセンティブ交付金」であり、制度的な欠陥が自治体の「会計操作」を招いている実態がある。いったい、どんな欠陥で、どんな会計操作が実施されているのか、そのカラクリ
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