医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

医師も患者もクスリが頼み

第172回

2021年7月1日号

松本俊彦みすず書房2021年4月刊  警察の日々の仕事を追うドキュメンタリー番組(?)を以前はわりによく観ていたのだが、最近はまったく観なくなった。きっかけは、松本俊彦氏の『薬物依存症』(ちくま新書)を読んだこと。これらの番組のハイライトは覚せい剤の取り締まり。警察官の経験や勘が覚せい剤使用者や売人の摘発につながることを細かく描く。確かに、スリリングでつくり物ではなさそうな(たぶん多少の演出はあるのだろうが)、刺激的な映像は視聴者の強い関心を呼ぶ。  しかし「薬物依存症」を読むと、覚せい剤などいわゆる「違法性薬物」に縁遠い一般人がいかに強い思い込みをしているか、その疾患をまったく理解していないかがわかる。例えば、薬物依存症の治療を要請されると、多くの精神科施設が断ることや、治療に応じながら尿検査をして陽性だと即座に警察に連... 松本俊彦みすず書房2021年4月刊  警察の日々の仕事を追うドキュメンタリー番組(?)を以前はわりによく観ていたのだが、最近はまったく観なくなった。きっかけは、松本俊彦氏の『薬物依存症』(ちくま新書)を読んだこと。これらの番組のハイライトは覚せい剤の取り締まり。警察官の経験や勘が覚せい剤使用者や売人の摘発につながることを細かく描く。確かに、スリリングでつくり物ではなさそうな(たぶん多少の演出はあるのだろうが)、刺激的な映像は視聴者の強い関心を呼ぶ。  しかし「薬物依存症」を読むと、覚せい剤などいわゆる「違法性薬物」に縁遠い一般人がいかに強い思い込みをしているか、その疾患をまったく理解していないかがわかる。例えば、薬物依存症の治療を要請されると、多くの精神科施設が断ることや、治療に応じながら尿検査をして陽性だと即座に警察に連絡

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