薬のおカネを議論しよう
研究資金と「個人の利益相反」申告不備
第45回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2021年7月15日号
6月15日号では医学雑誌編集者国際会議(ICMJE)の利益相反申告フォームが改変されたことに加え、『ニューイングランド医学誌』に出版された臨床試験について、その利益相反の正確性を調査したことをお伝えした。今回その調査の詳細を紹介したい。結果は、21年6月に、『Bioethics』という生命倫理専門誌に出版されたものだ。
調査対象としたのは、「CREATE-X」と呼ばれる臨床試験である。日本と韓国において乳がんを対象に実施され、17年にその結果が論文掲載された。ハイリスク乳がん患者に対して、カペシタビン(中外製薬の「ゼローダ」)を追加投与し、無再発生存期間と生存期間の延長を証明した試験である。
今回、CREATE-X試験を調査対象としたのには理由がある。この試験が、筆者が利益相反問題に取り組むきっかけとなっただけでなく、今後の利益相反管理で深刻な問...
6月15日号では医学雑誌編集者国際会議(ICMJE)の利益相反申告フォームが改変されたことに加え、『ニューイングランド医学誌』に出版された臨床試験について、その利益相反の正確性を調査したことをお伝えした。今回その調査の詳細を紹介したい。結果は、21年6月に、『Bioethics』という生命倫理専門誌に出版されたものだ。
調査対象としたのは、「CREATE-X」と呼ばれる臨床試験である。日本と韓国において乳がんを対象に実施され、17年にその結果が論文掲載された。ハイリスク乳がん患者に対して、カペシタビン(中外製薬の「ゼローダ」)を追加投与し、無再発生存期間と生存期間の延長を証明した試験である。
今回、CREATE-X試験を調査対象としたのには理由がある。この試験が、筆者が利益相反問題に取り組むきっかけとなっただけでなく、今後の利益相反管理で深刻な問題と
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