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眺望 医薬街道

値引き補填と総価をやめてスッキリ

近藤正觀

2021年7月15日号

 7月2日、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が開催された。厚生労働省は今秋にも新たなガイドラインを公表し、医薬品の流通改善を促すことを目論む。  医薬品の流通は半世紀前から「特殊」であり続けるが、世間一般には理解しがたい様相を呈してきた。古くは「添付販売」から始まり、値引き販売へと移行し、現在ではこれに実質的な値引きが加わる。卸はメーカー仕切価より安い価格で医療機関に販売し、「1次売差はマイナス」という構造だ。卸は1次売差がマイナスなので、損をしているように見えるが、後日メーカーから諸々の値引きやリベート(割戻し)・アローアンス(報奨金)を受け取ることで黒字経営を成り立たせている。  21年の卸の営業利益率は総じて1%程度しかない。日本の卸は、医薬品情報の提供のほか、回収関連や経営関連などさまざまな情報を医療機関に...  7月2日、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が開催された。厚生労働省は今秋にも新たなガイドラインを公表し、医薬品の流通改善を促すことを目論む。  医薬品の流通は半世紀前から「特殊」であり続けるが、世間一般には理解しがたい様相を呈してきた。古くは「添付販売」から始まり、値引き販売へと移行し、現在ではこれに実質的な値引きが加わる。卸はメーカー仕切価より安い価格で医療機関に販売し、「1次売差はマイナス」という構造だ。卸は1次売差がマイナスなので、損をしているように見えるが、後日メーカーから諸々の値引きやリベート(割戻し)・アローアンス(報奨金)を受け取ることで黒字経営を成り立たせている。  21年の卸の営業利益率は総じて1%程度しかない。日本の卸は、医薬品情報の提供のほか、回収関連や経営関連などさまざまな情報を医療機関に届

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