医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

コロナ臨床現場という戦場物語

第173回

大西一幸

2021年7月15日号

臨床の砦夏川草介小学館2021年4月刊  この稿を書いているのは6月上旬。とくに大阪府、北海道、沖縄県で猛威を振るった新型コロナウイルス感染の第4波は、緊急事態宣言の延長という政府の判断を導いた。大阪はやや感染者数は減少傾向にあるが、重症者病床の逼迫は解消されていないし、北海道と沖縄の感染者数の高止まり傾向も医療崩壊危機も続いている状況。その最中に今回の読書が進んだ。6月4日の報道ではワクチン接種は思いのほか順調に続いているというものの、東京五輪開催の是非は議論がヒートアップしている最中である。このコラムが掲載される頃、たぶん懐かしい空気感で頁が繰られているはずだ。  6月2日の朝刊(朝日新聞・大阪13版)では、「大阪医療危機」と題された連載レポートに、「入院先見つからぬまま、終えた往診」という見出しがついている。症状の深刻な感染... 臨床の砦夏川草介小学館2021年4月刊  この稿を書いているのは6月上旬。とくに大阪府、北海道、沖縄県で猛威を振るった新型コロナウイルス感染の第4波は、緊急事態宣言の延長という政府の判断を導いた。大阪はやや感染者数は減少傾向にあるが、重症者病床の逼迫は解消されていないし、北海道と沖縄の感染者数の高止まり傾向も医療崩壊危機も続いている状況。その最中に今回の読書が進んだ。6月4日の報道ではワクチン接種は思いのほか順調に続いているというものの、東京五輪開催の是非は議論がヒートアップしている最中である。このコラムが掲載される頃、たぶん懐かしい空気感で頁が繰られているはずだ。  6月2日の朝刊(朝日新聞・大阪13版)では、「大阪医療危機」と題された連載レポートに、「入院先見つからぬまま、終えた往診」という見出しがついている。症状の深刻な感染患

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