寄附が「賄賂」と化した三重大汚職
有罪判決に見る製薬会社の防衛策は
元特捜部主任検事 前田恒彦
2021年8月1日号
津地裁は厳しい判決
三重大学医学部附属病院をめぐる贈賄容疑で起訴された小野薬品工業の社員2人に対し、津地方裁判所は懲役8ヵ月、執行猶予3年を言い渡した。検察・弁護双方とも控訴せず、確定している。収賄側である元教授の裁判はまだ先だが、この有罪判決を分析することで、製薬会社がとるべき防衛策が見えてくる。
脅威的な判決
判決のポイントは3点ある。1点目は、正規の手続きを経た奨学寄附金が「賄賂」と認定されたことだ。三重大も小野薬品も内部審査を経て問題なしと判断しているし、200万円は大学の口座に振り込まれた。それでも賄賂に当たるという。
これについて、判決は、寄附に向けた元教授の働きかけを認定するとともに、社員2人の動機や寄附額、寄附がもたらした結果を重視した。「オノアクト」の受注増につながるという思...
津地裁は厳しい判決
三重大学医学部附属病院をめぐる贈賄容疑で起訴された小野薬品工業の社員2人に対し、津地方裁判所は懲役8ヵ月、執行猶予3年を言い渡した。検察・弁護双方とも控訴せず、確定している。収賄側である元教授の裁判はまだ先だが、この有罪判決を分析することで、製薬会社がとるべき防衛策が見えてくる。
脅威的な判決
判決のポイントは3点ある。1点目は、正規の手続きを経た奨学寄附金が「賄賂」と認定されたことだ。三重大も小野薬品も内部審査を経て問題なしと判断しているし、200万円は大学の口座に振り込まれた。それでも賄賂に当たるという。
これについて、判決は、寄附に向けた元教授の働きかけを認定するとともに、社員2人の動機や寄附額、寄附がもたらした結果を重視した。「オノアクト」の受注増につながるという思惑
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