上昌広の日本医療の診立て
パンデミック五輪、対応はワクチン接種のみ
第11回 今からでも遅くはないアストラゼネカ製の活用を
医療ガバナンス研究所理事長
2021年8月1日号
忘れられない「史上初」のパンデミック五輪
7月23日、東京五輪が開幕した。パンデミック中の開催は史上初だ。菅義偉首相は「人類がコロナとの戦いに打ち勝った証として、安全・安心の大会を実現したい」という発言を繰り返してきたが、もはや空疎な言葉である。
何が問題だったのか。そもそも開催時期が間違っていた。昨年、新型コロナウイルスは春・夏・冬に流行した。今年も春、夏と流行し、今春の感染拡大の時期は、昨春と重なっている。早い段階でコロナの流行には季節性があることがわかっていたのだ。案の定、今夏も昨年同様、6月後半から感染者が増加している。昨年同様8月まで感染は拡大するだろう。もっと五輪の開催時期について議論すべきだったが、このことに注意が払われることはなかった。
6月18日、尾身茂・コロナ対策分科会会長をはじめと...
忘れられない「史上初」のパンデミック五輪
7月23日、東京五輪が開幕した。パンデミック中の開催は史上初だ。菅義偉首相は「人類がコロナとの戦いに打ち勝った証として、安全・安心の大会を実現したい」という発言を繰り返してきたが、もはや空疎な言葉である。
何が問題だったのか。そもそも開催時期が間違っていた。昨年、新型コロナウイルスは春・夏・冬に流行した。今年も春、夏と流行し、今春の感染拡大の時期は、昨春と重なっている。早い段階でコロナの流行には季節性があることがわかっていたのだ。案の定、今夏も昨年同様、6月後半から感染者が増加している。昨年同様8月まで感染は拡大するだろう。もっと五輪の開催時期について議論すべきだったが、このことに注意が払われることはなかった。
6月18日、尾身茂・コロナ対策分科会会長をはじめとし
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