薬のおカネを議論しよう
インパクトファクターにみる学術誌
第46回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2021年8月1日号
6月末、クラリベイト社による最新版のインパクトファクター(Impact Factor, :IF)が発表された。IFは学術誌の影響度を評価する指標のひとつで、日本の学校受験でよく使われる偏差値のようなものだ。学術誌のウェブサイトを見ると、今年のIFは何点に上昇した、などの宣伝文句が踊っているのをよく目にする。
IFにはさまざまな批判があり、この数値で個々の論文や研究者を評価できるわけではないとか、異なる分野で比較しても意味がないなどが指摘されている。これは偏差値が高い学校に合格したからといって、その人物の仕事能力を担保するわけではない、といった議論と似ている。しかし、IFはわかりやすいので汎用され、何かと注目を集めているのが現状だ。
IFは、過去2年間にそれぞれの学術誌に掲載された論文が、その年にほかの論文に引用された数を元に算出され、毎年...
6月末、クラリベイト社による最新版のインパクトファクター(Impact Factor, :IF)が発表された。IFは学術誌の影響度を評価する指標のひとつで、日本の学校受験でよく使われる偏差値のようなものだ。学術誌のウェブサイトを見ると、今年のIFは何点に上昇した、などの宣伝文句が踊っているのをよく目にする。
IFにはさまざまな批判があり、この数値で個々の論文や研究者を評価できるわけではないとか、異なる分野で比較しても意味がないなどが指摘されている。これは偏差値が高い学校に合格したからといって、その人物の仕事能力を担保するわけではない、といった議論と似ている。しかし、IFはわかりやすいので汎用され、何かと注目を集めているのが現状だ。
IFは、過去2年間にそれぞれの学術誌に掲載された論文が、その年にほかの論文に引用された数を元に算出され、毎年の数
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