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ひらけごま

マイクロRNA補充療法、ようやく実現か

特許庁も注目する中分子医薬

メディカルライター・本島玲子

2021年8月15日号

 広島大学大学院医系科学研究科の田原栄俊教授らは7月27日、新規抗がん剤「MIRX002」の治験届が医薬品医療機器総合機構に受理されたと発表した。同剤は薬効を示す22塩基の天然型miRNA「miR-31403p」と、ナノチューブを形成して核酸を分解から保護する界面活性剤ペプチド「A6K」を合わせた核酸医薬。9月から広大病院で、悪性胸膜中皮腫(MPM)患者に対する医師主導治験を開始する。投与量別に3段階に分け胸腔内に単回局所投与する方法で、計9〜18例で安全性と忍容性を評価、24年2月を目途に総括報告書を作成する計画だ。  ヒトの遺伝情報は、DNAからメッセンジャーRNA(mRNA)に転写→アミノ酸配列に翻訳→タンパク質合成という流れを経て細胞の形質や機能に現れる。一方、マイクロRNA(miRNA)自身はタンパク質をつくらないが、細胞質でmRNAに特異的に結合して切断または翻訳抑...  広島大学大学院医系科学研究科の田原栄俊教授らは7月27日、新規抗がん剤「MIRX002」の治験届が医薬品医療機器総合機構に受理されたと発表した。同剤は薬効を示す22塩基の天然型miRNA「miR-31403p」と、ナノチューブを形成して核酸を分解から保護する界面活性剤ペプチド「A6K」を合わせた核酸医薬。9月から広大病院で、悪性胸膜中皮腫(MPM)患者に対する医師主導治験を開始する。投与量別に3段階に分け胸腔内に単回局所投与する方法で、計9〜18例で安全性と忍容性を評価、24年2月を目途に総括報告書を作成する計画だ。  ヒトの遺伝情報は、DNAからメッセンジャーRNA(mRNA)に転写→アミノ酸配列に翻訳→タンパク質合成という流れを経て細胞の形質や機能に現れる。一方、マイクロRNA(miRNA)自身はタンパク質をつくらないが、細胞質でmRNAに特異的に結合して切断または翻訳抑制

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