医工連携
異方性を利用して良好な骨再生
医工連携の実践者50 中野貴由 大阪大学教授
2021年8月15日号
常時二足歩行は、人類に文明を与えた重要な機能だ。二足歩行に適応して進化した脊椎が体を支えており、その脊椎の疾患は患者のQOLに大きな影響を与える。
脊椎疾患の治療として椎間板を除去したあと、その空間に金属製デバイスを挟み込み、椎体骨間の距離を保って骨再生しつつ椎骨間の固定を行うことがある。この用途に世界初の概念で挑む「UNIOS PLスペーサー」(帝人ナカシマメディカル)が6月に保険収載を受けた。
これまでのデバイスは、患者自身の骨を採取して再生のタネにする必要があったため、治療が大がかりになって患者にも医師にも負担が大きかった。しかも再生当初の椎骨間の新生骨は骨密度だけあっても強度が不十分で、リモデリングによって状態が整い骨本来の強度を発揮するまで年単位の時間を要した。これに対してUNIOSは、タネなしで用いた...
常時二足歩行は、人類に文明を与えた重要な機能だ。二足歩行に適応して進化した脊椎が体を支えており、その脊椎の疾患は患者のQOLに大きな影響を与える。
脊椎疾患の治療として椎間板を除去したあと、その空間に金属製デバイスを挟み込み、椎体骨間の距離を保って骨再生しつつ椎骨間の固定を行うことがある。この用途に世界初の概念で挑む「UNIOS PLスペーサー」(帝人ナカシマメディカル)が6月に保険収載を受けた。
これまでのデバイスは、患者自身の骨を採取して再生のタネにする必要があったため、治療が大がかりになって患者にも医師にも負担が大きかった。しかも再生当初の椎骨間の新生骨は骨密度だけあっても強度が不十分で、リモデリングによって状態が整い骨本来の強度を発揮するまで年単位の時間を要した。これに対してUNIOSは、タネなしで用いた場合
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