財界論
財界とメディア② 持ちつ持たれつの関係
第11回
茨城大学名誉教授 古賀純一郎
2021年8月15日号
力の入れ方に多少の差はあるが産経新聞のように財界がマスコミに関与するのは異例でも何でもない。世論を自在に操りたいとの気持ちがどこかにあるのだろうか。
NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公で“日本資本主義の父”渋沢栄一は後の日本工業倶楽部理事長の団琢磨三井合名理事長らの支援を仰ぎ、財界の総意のかたちで日本のニュースを海外へ発信する国際通信社を1914年(大正3年)に設立した。
きっかけは会頭を務めていた東京商業会議所(東京商工会議所の前身)の前年の訪米ミッションで目の当たりにした邦人移民に対する理不尽な人種差別。日露戦争の勝利で高まる日本脅威・黄禍論、白人が仕事を奪われるとの懸念も加わって燃え盛る排斥運動に接し愕然とした。「親米の多い日本の姿を伝える必要がある」と決断した。
渋沢の下で東商副会頭を務めた益田...
力の入れ方に多少の差はあるが産経新聞のように財界がマスコミに関与するのは異例でも何でもない。世論を自在に操りたいとの気持ちがどこかにあるのだろうか。
NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公で“日本資本主義の父”渋沢栄一は後の日本工業倶楽部理事長の団琢磨三井合名理事長らの支援を仰ぎ、財界の総意のかたちで日本のニュースを海外へ発信する国際通信社を1914年(大正3年)に設立した。
きっかけは会頭を務めていた東京商業会議所(東京商工会議所の前身)の前年の訪米ミッションで目の当たりにした邦人移民に対する理不尽な人種差別。日露戦争の勝利で高まる日本脅威・黄禍論、白人が仕事を奪われるとの懸念も加わって燃え盛る排斥運動に接し愕然とした。「親米の多い日本の姿を伝える必要がある」と決断した。
渋沢の下で東商副会頭を務めた益田孝
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録