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医工連携

培養細胞が自律的に3次元化

医工連携の実践者51 大山智子 量子科学技術研究開発機構主幹研究員

2021年9月1日号

 生体組織は、すべて自律的に立体(3次元)構造を形成している。一方、硬く平たい培養皿の上で培養した細胞は平面(2次元)的に増えるだけで、立体構造とならない。iPS細胞などの多能性幹細胞を起点として再生医療を行おうとする際の大きな課題だ。現在は、凹凸を加工した基材上で培養したり、平面の細胞シートを何枚も重ねたりして、人為的に立体化を図っている。これでは、どれほど精密に構造を再現しようとも、発現する遺伝子まで本来と同じである保証はなく、当然ながら本来の働きを再現できる保証もない。  この状況に風穴を開けるかもしれない論文が、7月の『Materials & Design』誌に掲載された。  ポリ乳酸の薄膜上で細胞を培養し、細胞に薄膜を変形させることで、肉眼でも確認できる大きなヒダや突起といった立体構造をつくらせることに成功したと...  生体組織は、すべて自律的に立体(3次元)構造を形成している。一方、硬く平たい培養皿の上で培養した細胞は平面(2次元)的に増えるだけで、立体構造とならない。iPS細胞などの多能性幹細胞を起点として再生医療を行おうとする際の大きな課題だ。現在は、凹凸を加工した基材上で培養したり、平面の細胞シートを何枚も重ねたりして、人為的に立体化を図っている。これでは、どれほど精密に構造を再現しようとも、発現する遺伝子まで本来と同じである保証はなく、当然ながら本来の働きを再現できる保証もない。  この状況に風穴を開けるかもしれない論文が、7月の『Materials & Design』誌に掲載された。  ポリ乳酸の薄膜上で細胞を培養し、細胞に薄膜を変形させることで、肉眼でも確認できる大きなヒダや突起といった立体構造をつくらせることに成功したとい

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