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医工連携

体内深くに可視光を生み細胞制御

医工連携の実践者52 柳田健之 奈良先端科学技術大学院大学教授

2021年9月15日号

 主に神経科学領域の基礎研究で広く用いられている光遺伝学なる技術がある。光感受性のタンパク質であるオプシンを遺伝子導入などして特定の細胞に発現させ、その細胞の機能を光の刺激で操作するものだ。  オプシンはもともと脊椎動物の桿体や錐体など視細胞から見つかったタンパク質グループだ。私たちの眼が見える、つまり光を感じられるのは、網膜に光が当たったとき視細胞にあるオプシン(より正確には結合した色素)の構造が変わり、そこから視細胞が興奮状態になって電気信号を発生させ、その信号が脳に届くためだ。  要するに、オプシンを発現した細胞に光が当たると、その細胞は興奮したり抑制されたりする。  この性質は差し当たって、細胞個々の働きを調べるのに都合がよい。電気刺激や薬剤を使って調べようとすると、狙った種類以外の...  主に神経科学領域の基礎研究で広く用いられている光遺伝学なる技術がある。光感受性のタンパク質であるオプシンを遺伝子導入などして特定の細胞に発現させ、その細胞の機能を光の刺激で操作するものだ。  オプシンはもともと脊椎動物の桿体や錐体など視細胞から見つかったタンパク質グループだ。私たちの眼が見える、つまり光を感じられるのは、網膜に光が当たったとき視細胞にあるオプシン(より正確には結合した色素)の構造が変わり、そこから視細胞が興奮状態になって電気信号を発生させ、その信号が脳に届くためだ。  要するに、オプシンを発現した細胞に光が当たると、その細胞は興奮したり抑制されたりする。  この性質は差し当たって、細胞個々の働きを調べるのに都合がよい。電気刺激や薬剤を使って調べようとすると、狙った種類以外の細胞

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