医薬経済オンライン

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「脇役たち」の矜恃 〜被災地からの言付け〜

支援のカタチ①

第2回

薬剤師:武田雄高

2021年9月15日号

 今回は私が11年3月11日の東日本大震災で経験した復旧作業のひとつを紹介したい。今夏、水害に見舞われた地域の映像で思い出す、近隣住民やボランティアさんたちとの泥まみれの夏の記憶だ。  震災後の4月下旬、私の家と薬局のある南郷地区でもようやく水道が復旧。泥だらけの蛇口から勢いよく吹き出した水に歓声を上げた。温水器は泥に埋まったままだから自宅でシャワーとまではいかなかったが、いつでも水を使えるようになったことが何より嬉しかったのを覚えている。近隣の水道復旧が進むと同時に、各家庭では瓦礫と泥に埋もれた家屋の洗浄作業が始まった。ほとんどの家屋で2階まで浸水し大規模半壊地区となった南郷地区。朝から晩まで洗浄作業を続けても翌日にはどこからか泥水が染み出してくる。  ある程度、寝泊まりができる状態を目処にし、次は泥の中から発掘した家財...  今回は私が11年3月11日の東日本大震災で経験した復旧作業のひとつを紹介したい。今夏、水害に見舞われた地域の映像で思い出す、近隣住民やボランティアさんたちとの泥まみれの夏の記憶だ。  震災後の4月下旬、私の家と薬局のある南郷地区でもようやく水道が復旧。泥だらけの蛇口から勢いよく吹き出した水に歓声を上げた。温水器は泥に埋まったままだから自宅でシャワーとまではいかなかったが、いつでも水を使えるようになったことが何より嬉しかったのを覚えている。近隣の水道復旧が進むと同時に、各家庭では瓦礫と泥に埋もれた家屋の洗浄作業が始まった。ほとんどの家屋で2階まで浸水し大規模半壊地区となった南郷地区。朝から晩まで洗浄作業を続けても翌日にはどこからか泥水が染み出してくる。  ある程度、寝泊まりができる状態を目処にし、次は泥の中から発掘した家財道

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