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業界展望

小石川から「世界のエーザイ」へ生みの苦しみ

第4回 アデュカヌマブと後続新薬、後継者の行方

クレディ・スイス証券株式会社株式調査部ディレクター 酒井文義

2021年10月1日号

 過去1年間の医薬品に関する英文の情報媒体で最も多く登場した日本の企業名はエーザイだろう。言うまでもなく米国でアルツハイマー型認知症(AD)治療薬「アデュカヌマブ」(米国製品名「アデュヘルム」)の承認の可否が大変な議論となったためだ。21年6月8日に米国食品医薬品局(FDA)がアデュカヌマブを迅速承認したことが伝わると、FDAの承認判断基準に対して大きな疑義が向けられる事態となった。  20年11月7日のFDA末梢・中枢神経系薬物諮問委員会で、アデュカヌマブについて、「301(ENGAGE)試験を考慮せずに302(EMERGE)試験を独立して評価した場合、AD治療としての有効性に関する説得力のあるエビデンスを示しているか」について投票を行い、諮問委委員の判断は賛成1、反対8、保留2となった。また、「103(PRIME)試験がアデュカヌマブの有効性の裏付けとなるエビデンスを示して...  過去1年間の医薬品に関する英文の情報媒体で最も多く登場した日本の企業名はエーザイだろう。言うまでもなく米国でアルツハイマー型認知症(AD)治療薬「アデュカヌマブ」(米国製品名「アデュヘルム」)の承認の可否が大変な議論となったためだ。21年6月8日に米国食品医薬品局(FDA)がアデュカヌマブを迅速承認したことが伝わると、FDAの承認判断基準に対して大きな疑義が向けられる事態となった。  20年11月7日のFDA末梢・中枢神経系薬物諮問委員会で、アデュカヌマブについて、「301(ENGAGE)試験を考慮せずに302(EMERGE)試験を独立して評価した場合、AD治療としての有効性に関する説得力のあるエビデンスを示しているか」について投票を行い、諮問委委員の判断は賛成1、反対8、保留2となった。また、「103(PRIME)試験がアデュカヌマブの有効性の裏付けとなるエビデンスを示してい

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