上昌広の日本医療の診立て
製薬マネーDBで見える医師の実態
第13回 厚労省が仕切っても何の問題も解決できない「理由」
医療ガバナンス研究所理事長
2021年10月1日号
厚生労働省が、製薬企業から医師に支払われるカネのデータベースの構築を検討しているらしい。9月15日、姉妹紙RISFAXがトップで報じた。この記事によれば「利益相反の管理は18年4月に施行した臨床研究法で導入した。しかし、研究機関はその所属医師であってもすべての収入を把握しているわけではなく、医師らの自己申告に頼らざるを得ない状況で、実質的に困難なケースがある」らしい。だから、製薬企業と医師に報告を義務付け、厚労省が管理するらしいのだが、筆者は、このような動きは進まないし、厚労省が仕切っても問題は解決しないと考えている。
官主導の危険な落とし穴
医療ガバナンス研究所は、製薬マネーデータベースの構築について、若干の経験がある。「Tansa」(旧ワセダクロニクル)と共同で、日本製薬工業協会に加盟する企業が公開している医師への支払いを取...
厚生労働省が、製薬企業から医師に支払われるカネのデータベースの構築を検討しているらしい。9月15日、姉妹紙RISFAXがトップで報じた。この記事によれば「利益相反の管理は18年4月に施行した臨床研究法で導入した。しかし、研究機関はその所属医師であってもすべての収入を把握しているわけではなく、医師らの自己申告に頼らざるを得ない状況で、実質的に困難なケースがある」らしい。だから、製薬企業と医師に報告を義務付け、厚労省が管理するらしいのだが、筆者は、このような動きは進まないし、厚労省が仕切っても問題は解決しないと考えている。
官主導の危険な落とし穴
医療ガバナンス研究所は、製薬マネーデータベースの構築について、若干の経験がある。「Tansa」(旧ワセダクロニクル)と共同で、日本製薬工業協会に加盟する企業が公開している医師への支払いを取り
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