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コロナがあぶり出した日本医療の惨劇

2021年10月1日号

 新型コロナウイルス感染症の対応の拙さと躓きによって、菅義偉首相は退陣を余儀なくさせられた。筆者には疑問だらけの「コロナ対応」だが、背景には厚生労働省のコロナに対する行政能力の欠如があったのではないか。 保健所を窓口として、業務の丸投げともいえる無責任な対応を行った。厚労省の本省からは連日、枝葉末節に及ぶ通知を発出、混乱を助長させた通知もあった。挙句、多くの保健所が「パンク状態のまま業務の目詰まり」を来たし機能不全となった。さらに厚労省は、欠陥だらけのコロナ感染確認アプリをつくり、失笑を買った。 コロナによって、日本医療の脆弱な面が露わになった。小規模民間医療施設が中心の日本の医療提供体制では、緊急事態には対応できないことが明確となった。細分化された診療科別の縦割り構造によってコロナ病床はたちまち逼迫した。コロナ病床の確保は、いまだに全...  新型コロナウイルス感染症の対応の拙さと躓きによって、菅義偉首相は退陣を余儀なくさせられた。筆者には疑問だらけの「コロナ対応」だが、背景には厚生労働省のコロナに対する行政能力の欠如があったのではないか。 保健所を窓口として、業務の丸投げともいえる無責任な対応を行った。厚労省の本省からは連日、枝葉末節に及ぶ通知を発出、混乱を助長させた通知もあった。挙句、多くの保健所が「パンク状態のまま業務の目詰まり」を来たし機能不全となった。さらに厚労省は、欠陥だらけのコロナ感染確認アプリをつくり、失笑を買った。 コロナによって、日本医療の脆弱な面が露わになった。小規模民間医療施設が中心の日本の医療提供体制では、緊急事態には対応できないことが明確となった。細分化された診療科別の縦割り構造によってコロナ病床はたちまち逼迫した。コロナ病床の確保は、いまだに全国の

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