医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

正しい診断は傾聴と診察

第178回

大西一幸

2021年10月1日号

診断 謎の症状を追う医学ミステリー リサ・サンダース/松村理司:訳ゆみる出版/2021年3月刊  一昔前に燎原の火の如く広がっていた医療不信は、実際のところ収まったのだろうか。何だかよくわからないのだが、一時期ほど騒がれなくなった気がする。いろんな要素があるのだと思う。医師の説明が丁寧になった、患者の話を聴くようになった、つまり医療の現場でパターナリズムが影を潜めてきた、と言えるかもしれない。  誤診報道が慎重になり、検証重視のメディア姿勢の変化もある。これは06年の福島県立大野病院産科医逮捕事件が大きく影響しているだろう。また、モンスターペイシェントの言葉に代表されるように、患者の横暴に対し医療側も声を上げ始めたとみることができる。  しかし、実感として、説明は丁寧になったかもしれないが、患者の話を聴くようになっ... 診断 謎の症状を追う医学ミステリー リサ・サンダース/松村理司:訳ゆみる出版/2021年3月刊  一昔前に燎原の火の如く広がっていた医療不信は、実際のところ収まったのだろうか。何だかよくわからないのだが、一時期ほど騒がれなくなった気がする。いろんな要素があるのだと思う。医師の説明が丁寧になった、患者の話を聴くようになった、つまり医療の現場でパターナリズムが影を潜めてきた、と言えるかもしれない。  誤診報道が慎重になり、検証重視のメディア姿勢の変化もある。これは06年の福島県立大野病院産科医逮捕事件が大きく影響しているだろう。また、モンスターペイシェントの言葉に代表されるように、患者の横暴に対し医療側も声を上げ始めたとみることができる。  しかし、実感として、説明は丁寧になったかもしれないが、患者の話を聴くようになったと

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