評伝 カタリン・カリコ(Katalin kalikó) 激動の人生とその軌跡−mRNAワクチンが人類を救う−
背水の陣で米国へ
評伝 カタリン・カリコ 第3回
吉成 河法吏
2021年10月15日号
【あらすじ】ハンガリー生まれの生化学者カタリン・カリコ博士は、新型コロナウイルスパンデミックの激流から人類を救うことになった、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンで新型コロナワクチンを開発した立役者である。
21年9月24日、米国・ニューヨークのラスカー財団は、米国で最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」の臨床医学分野の受賞者に、独ビオンテック上級副社長のカタリン・カリコ博士と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイズマン教授を選んだ。
カリコ博士の半世紀以上の人生は、必ずしも平坦な道のりではない。彼女の人生を眺めることは、今後の日本の科学界にとって、間違いなくひとつの重要な道標となる。本連載では、その時代史・科学史とともに、カリコ博士の歴史を振り返る。
今回はハンガリーから米国へと足場を移し、mRNA研究に没頭しつつ...
【あらすじ】ハンガリー生まれの生化学者カタリン・カリコ博士は、新型コロナウイルスパンデミックの激流から人類を救うことになった、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンで新型コロナワクチンを開発した立役者である。
21年9月24日、米国・ニューヨークのラスカー財団は、米国で最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」の臨床医学分野の受賞者に、独ビオンテック上級副社長のカタリン・カリコ博士と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイズマン教授を選んだ。
カリコ博士の半世紀以上の人生は、必ずしも平坦な道のりではない。彼女の人生を眺めることは、今後の日本の科学界にとって、間違いなくひとつの重要な道標となる。本連載では、その時代史・科学史とともに、カリコ博士の歴史を振り返る。
今回はハンガリーから米国へと足場を移し、mRNA研究に没頭しつつも、
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