現場が望む社会保障制度
地域ケア会議の「利害得失」を考える
第78回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2021年11月1日号
「三人寄れば文殊の知恵」とは、どんなに凡人でも3人集まれば、知恵の仏である文殊と同じぐらいの知恵が浮かぶことを意味する。仏ほどの知恵をひねり出せるかわからないが、在宅ケアの現場では多くの専門職が知恵を出し合う「地域ケア会議」が重視されている。この会議には個別事例の改善や地域づくり、政策形成などの機能が期待されており、国の制度改正も位置付けられる機会が増えている。
しかし、地域ケア会議という同じ名前を冠しているものの、実は自治体ごとに運用や内容、機能が異なる面があり、注意を要する。さらに、市町村が必要以上にケアの内容に介入するマイナス面も想定する必要がある。今回は地域ケア会議の利害得失を考える。
期待されている機能は5つ
まず、地域ケア会議の概要を確認する。イメージは図のとおりであり、埼玉県和光市の事例を...
「三人寄れば文殊の知恵」とは、どんなに凡人でも3人集まれば、知恵の仏である文殊と同じぐらいの知恵が浮かぶことを意味する。仏ほどの知恵をひねり出せるかわからないが、在宅ケアの現場では多くの専門職が知恵を出し合う「地域ケア会議」が重視されている。この会議には個別事例の改善や地域づくり、政策形成などの機能が期待されており、国の制度改正も位置付けられる機会が増えている。
しかし、地域ケア会議という同じ名前を冠しているものの、実は自治体ごとに運用や内容、機能が異なる面があり、注意を要する。さらに、市町村が必要以上にケアの内容に介入するマイナス面も想定する必要がある。今回は地域ケア会議の利害得失を考える。
期待されている機能は5つ
まず、地域ケア会議の概要を確認する。イメージは図のとおりであり、埼玉県和光市の事例を全
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