評伝 カタリン・カリコ(Katalin kalikó) 激動の人生とその軌跡−mRNAワクチンが人類を救う−
自分を信じて研究
評伝 カタリン・カリコ 第4回
吉成 河法吏
2021年11月1日号
【あらすじ】ハンガリー生まれの生化学者カタリン・カリコ博士は、メッセンジャーRNA(mRNA)から新型コロナワクチンを開発した立役者である。21年9月24日、米ラスカー財団は、米国で最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」の臨床医学分野の受賞者に、独ビオンテック上級副社長のカリコ博士と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイズマン教授を選んだ。
カリコ博士の半世紀以上の人生は、必ずしも平坦な道のりではない。彼女の人生を眺めることは、今後の日本の科学界にとって重要な道標となる。本連載では、その時代史・科学史とともに、カリコ博士の歴史を振り返る。
それは運命だった
ワイズマン教授との出会い(1997年)
カリコ博士は、降格させられても、諦めることはなく、自分を信じて、わずかな研究資金を得て、研究を続けた。
ペン...
【あらすじ】ハンガリー生まれの生化学者カタリン・カリコ博士は、メッセンジャーRNA(mRNA)から新型コロナワクチンを開発した立役者である。21年9月24日、米ラスカー財団は、米国で最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」の臨床医学分野の受賞者に、独ビオンテック上級副社長のカリコ博士と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイズマン教授を選んだ。
カリコ博士の半世紀以上の人生は、必ずしも平坦な道のりではない。彼女の人生を眺めることは、今後の日本の科学界にとって重要な道標となる。本連載では、その時代史・科学史とともに、カリコ博士の歴史を振り返る。
それは運命だった
ワイズマン教授との出会い(1997年)
カリコ博士は、降格させられても、諦めることはなく、自分を信じて、わずかな研究資金を得て、研究を続けた。
ペンシ
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