そこが知りたい はい、いでがわですが
臨床研究と患者の人権
第1シリーズ② プロトコール違反の治験薬投与
ジャーナリスト 出河雅彦
2021年11月1日号
愛知県がんセンターで行われた抗がん剤「254S」の臨床試験(治験)の被験者となり、薬の副作用に苦しんだ末に45歳で亡くなった卵巣がん患者の女性(以下、Y子さんと言う)と夫は、投与されるのが有効性や安全性が確認されていない治験薬であるという説明すら受けていなかった。夫がそれを知ったのは、Y子さんの死から約3年半後の1992年3月、朝日新聞名古屋本社社会部の記者からの取材申し込みがきっかけだった。
同年3月26日付朝日新聞朝刊(名古屋本社発行版)に「認可前の抗がん剤点滴/13日後に患者死亡/家族『治験の説明なし』/88年愛知県がんセンター」という見出しの記事が掲載された。
93年7月5日、Y子さんの夫は2人の子どもとともに、がんセンターの設置者である愛知県とY子さんの主治医だったO医師(提訴当時は別の病院に勤務)を相手取り、慰謝...
愛知県がんセンターで行われた抗がん剤「254S」の臨床試験(治験)の被験者となり、薬の副作用に苦しんだ末に45歳で亡くなった卵巣がん患者の女性(以下、Y子さんと言う)と夫は、投与されるのが有効性や安全性が確認されていない治験薬であるという説明すら受けていなかった。夫がそれを知ったのは、Y子さんの死から約3年半後の1992年3月、朝日新聞名古屋本社社会部の記者からの取材申し込みがきっかけだった。
同年3月26日付朝日新聞朝刊(名古屋本社発行版)に「認可前の抗がん剤点滴/13日後に患者死亡/家族『治験の説明なし』/88年愛知県がんセンター」という見出しの記事が掲載された。
93年7月5日、Y子さんの夫は2人の子どもとともに、がんセンターの設置者である愛知県とY子さんの主治医だったO医師(提訴当時は別の病院に勤務)を相手取り、慰謝料な
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