医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

ゼロリスク追求の弊害

第136回

琉球大学医学部非常勤講師  照井資規

2021年11月15日号

「ゼロコロナ」を追求することは、危機管理を正しく行えていないことの証左である。世の中に完全というものはないのだから、リスクをゼロにすることはできない。できないことを追求することで貴重なものを失ってしまう。その最たるものは「時間」だ。時間は戻すことができない。本来であれば、補えるリスク、補えないリスクに分けて優先度の高いものから対処していくもので、「時間」は総じて他の要素よりも優先される。  戦闘といえば、勝ち負けにこだわりがちだが、実は時間までに任務を達成することが最も重要だ。戦争において、当面の戦闘がすべてではなく、次の戦いが控えているもので、時間をかけ過ぎてしまえば一度の敗北で簡単に優位を失ってしまいかねない。「勝機を待つ」の言葉もあるが、それは先に獲得した余裕のなかで行うものだ。戦争そのものが長引けば、敵国は新型の武器を... 「ゼロコロナ」を追求することは、危機管理を正しく行えていないことの証左である。世の中に完全というものはないのだから、リスクをゼロにすることはできない。できないことを追求することで貴重なものを失ってしまう。その最たるものは「時間」だ。時間は戻すことができない。本来であれば、補えるリスク、補えないリスクに分けて優先度の高いものから対処していくもので、「時間」は総じて他の要素よりも優先される。  戦闘といえば、勝ち負けにこだわりがちだが、実は時間までに任務を達成することが最も重要だ。戦争において、当面の戦闘がすべてではなく、次の戦いが控えているもので、時間をかけ過ぎてしまえば一度の敗北で簡単に優位を失ってしまいかねない。「勝機を待つ」の言葉もあるが、それは先に獲得した余裕のなかで行うものだ。戦争そのものが長引けば、敵国は新型の武器を開

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence