業界展望
中期計画達成へ、有言実行へ真価が問われる
第6回 アステラス製薬
クレディ・スイス証券株式会社株式調査部ディレクター 酒井文義
2021年12月1日号
アステラス製薬は05年4月に山之内製薬と藤沢薬品が合併し発足した。日本初の大手製薬企業同士の合併ということで注目度は高く、また待望論が高かった業界再編の口火を切ったと言われた。05年当時の業界は、「2010年問題」を目前に控えて国内の主だった企業は特許切れ対策を迫られていた。その過程で古くて新しい議論であった業界再編が取り沙汰されていた。国内再編により「日の丸製薬」を結成すべきという考えが受け入れられていった。
また2010年問題と並行して黒船来航も意識されていた。01年12月、中外製薬はアステラスの誕生に先駆けて、ロシュと戦略的アライアンス締結を発表。02年10月にロシュは中外の株式51%を保有し、中外を傘下に収めた。ロシュによる完全買収ではなかったが、欧米の大手製薬企業が国内の製薬企業を手に入れるのではないかという見方が広まった。
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アステラス製薬は05年4月に山之内製薬と藤沢薬品が合併し発足した。日本初の大手製薬企業同士の合併ということで注目度は高く、また待望論が高かった業界再編の口火を切ったと言われた。05年当時の業界は、「2010年問題」を目前に控えて国内の主だった企業は特許切れ対策を迫られていた。その過程で古くて新しい議論であった業界再編が取り沙汰されていた。国内再編により「日の丸製薬」を結成すべきという考えが受け入れられていった。
また2010年問題と並行して黒船来航も意識されていた。01年12月、中外製薬はアステラスの誕生に先駆けて、ロシュと戦略的アライアンス締結を発表。02年10月にロシュは中外の株式51%を保有し、中外を傘下に収めた。ロシュによる完全買収ではなかったが、欧米の大手製薬企業が国内の製薬企業を手に入れるのではないかという見方が広まった。
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