間違いだらけのHTA
余命延命、介助者QALY短縮? SMA治療薬の議論
第77回
横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中
2021年12月1日号
英NICEは11月18日に、ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「エブリスディ」について、MAAの条件つきで推奨する決定を下した。MAAは現時点で不確実性が高い薬剤について、長期の臨床データの取得や価格の引き下げなどを条件に一定期間の給付を認めるシステムだ。SMA領域では、「スピンラザ」は全患者がMAAでの給付、「ゾルゲンスマ」は原則通常ルールだが、臨床データがごく限られている症状発現前の患者にはMAAでの給付となっている。
SMAの治療薬のうち、ゾルゲンスマは希少疾病用の特別プログラム(HST)で、スピンラザとエブリスディは通常のプログラム(TA)で評価されている。
HSTで評価された場合、費用対効果の基準値が大きく引き上げられること(10万〜30万ポンド/QALY)に加え、アプレイザル(総合的評価)の過程で費用対効果以外の定性的な要素(家族の負担や...
英NICEは11月18日に、ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「エブリスディ」について、MAAの条件つきで推奨する決定を下した。MAAは現時点で不確実性が高い薬剤について、長期の臨床データの取得や価格の引き下げなどを条件に一定期間の給付を認めるシステムだ。SMA領域では、「スピンラザ」は全患者がMAAでの給付、「ゾルゲンスマ」は原則通常ルールだが、臨床データがごく限られている症状発現前の患者にはMAAでの給付となっている。
SMAの治療薬のうち、ゾルゲンスマは希少疾病用の特別プログラム(HST)で、スピンラザとエブリスディは通常のプログラム(TA)で評価されている。
HSTで評価された場合、費用対効果の基準値が大きく引き上げられること(10万〜30万ポンド/QALY)に加え、アプレイザル(総合的評価)の過程で費用対効果以外の定性的な要素(家族の負担や患
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録