現場が望む社会保障制度
高齢者の移動支援を考える
第79回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2021年12月1日号
最近、市町村の福祉担当者と話していると、「高齢者の移動支援をどうするか」という悩みを頻繁に耳にする。高齢者の免許返納や公共交通の衰退などを受け、買い物や通院など高齢者の日常的な移動ニーズへの対応が焦点となっており、各自治体が対応に苦慮しているかたちだ。
しかし、「移動手段がほしい」という要望に対応してバスを走らせても、人口が少ない地域では乗客を確保できず、「空気を乗せたバス」を運行させる結果になりかねない。ここでは高齢者の移動支援を考えるうえでの論点や方策を考えたい。
需要、供給両面が影響
まず、高齢者の移動支援が焦点となっている理由を需要、供給の両面で俯瞰すると、需要面では要介護者の増加、高齢者の免許返納の増加などが要因として考えられる。つまり、マイカーや徒歩で用事を済ませていた人が加齢によって移...
最近、市町村の福祉担当者と話していると、「高齢者の移動支援をどうするか」という悩みを頻繁に耳にする。高齢者の免許返納や公共交通の衰退などを受け、買い物や通院など高齢者の日常的な移動ニーズへの対応が焦点となっており、各自治体が対応に苦慮しているかたちだ。
しかし、「移動手段がほしい」という要望に対応してバスを走らせても、人口が少ない地域では乗客を確保できず、「空気を乗せたバス」を運行させる結果になりかねない。ここでは高齢者の移動支援を考えるうえでの論点や方策を考えたい。
需要、供給両面が影響
まず、高齢者の移動支援が焦点となっている理由を需要、供給の両面で俯瞰すると、需要面では要介護者の増加、高齢者の免許返納の増加などが要因として考えられる。つまり、マイカーや徒歩で用事を済ませていた人が加齢によって移動
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