上昌広の日本医療の診立て
モルヌピラビルの有効活用が重要
第15回 第6波に備え、2回接種終えた 高齢者の早期対策を構築せよ
医療ガバナンス研究所理事長
2021年12月1日号
政府は新型コロナウイルスワクチンの追加接種を2回目終了から原則として8ヵ月以降に実施する方針を固めた。この結果、年内に追加接種ができるのは、2月に接種を開始した国立病院機構の職員など、厚生労働省関係者だけとなった。
政府が8ヵ月の追加接種に拘るのは医学的には合理的でない。世界で追加接種をリードしたイスラエルでは、2回目接種から5ヵ月だし、英国では従来の6ヵ月を5ヵ月に短縮することが議論されている。韓国は60歳以上や基礎疾患を有する人などは4ヵ月に短縮した。世界が接種を急ぐのは、今冬の流行までに免疫を強化したいからだ。
では、日本はどうか。欧米諸国と比較して、日本の感染リスクは低い。その理由は2つだ。ひとつは、日本の接種が遅れたことだ。日本で接種が本格化したのは5月以降。米国から4ヵ月、欧州諸国から3ヵ月遅れた。この遅れを菅前...
政府は新型コロナウイルスワクチンの追加接種を2回目終了から原則として8ヵ月以降に実施する方針を固めた。この結果、年内に追加接種ができるのは、2月に接種を開始した国立病院機構の職員など、厚生労働省関係者だけとなった。
政府が8ヵ月の追加接種に拘るのは医学的には合理的でない。世界で追加接種をリードしたイスラエルでは、2回目接種から5ヵ月だし、英国では従来の6ヵ月を5ヵ月に短縮することが議論されている。韓国は60歳以上や基礎疾患を有する人などは4ヵ月に短縮した。世界が接種を急ぐのは、今冬の流行までに免疫を強化したいからだ。
では、日本はどうか。欧米諸国と比較して、日本の感染リスクは低い。その理由は2つだ。ひとつは、日本の接種が遅れたことだ。日本で接種が本格化したのは5月以降。米国から4ヵ月、欧州諸国から3ヵ月遅れた。この遅れを菅前政
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