時流遡航
日々諸事遊考㉘
第268回 ─日本の言語文化の現状に抱く些かの懸念─
本田成親
2021年12月15日号
岩崎弥太郎や前島密らが門人、安積艮斎の『富士山』
その国に特有な言語というものは、当該国の文化の中核を形成する第一の要素にほかなりません。その国の人々の生活と深く結びつく自国語の使用を特定の権力によって規制されたり、何かしらの原因でその言葉そのものが衰退したりしたら、国の存続に揺らぎが生じるばかりか、貴重な民俗文化そのものが崩壊消滅していくだろうことは想像に難くないでしょう。
かつて日本も、占領した東アジアや東南アジア諸国の人々に日本語の使用を強要しました。結果的には一時的なものに終わったにしましても、その国の民俗文化に少なからぬ負の影響をもたらしたことは確かです。当時の日本の国家指導者らがそんな占領政策を採ったのは、無論、言語というものがその国の民俗文化や政治・社会の動向を大きく左右することを認識し...
岩崎弥太郎や前島密らが門人、安積艮斎の『富士山』
その国に特有な言語というものは、当該国の文化の中核を形成する第一の要素にほかなりません。その国の人々の生活と深く結びつく自国語の使用を特定の権力によって規制されたり、何かしらの原因でその言葉そのものが衰退したりしたら、国の存続に揺らぎが生じるばかりか、貴重な民俗文化そのものが崩壊消滅していくだろうことは想像に難くないでしょう。
かつて日本も、占領した東アジアや東南アジア諸国の人々に日本語の使用を強要しました。結果的には一時的なものに終わったにしましても、その国の民俗文化に少なからぬ負の影響をもたらしたことは確かです。当時の日本の国家指導者らがそんな占領政策を採ったのは、無論、言語というものがその国の民俗文化や政治・社会の動向を大きく左右することを認識してい
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